失敗させて伸ばす、ふじょうしき教育論

お母さん
うちの子が失敗してしまったらどうしよう…

 

なんて不安は、どんなお母さんからも聞こえてくる悩みの一つです

受験はもちろんのこと、宿題の提出や通信簿の評定、果てには部活動、人間関係…。いずれにせよ、失敗って嫌なものではありますよね。心は傷つくし、自信も失うかもしれない。

 

お母さん
愛する我が子に、失敗なんかさせたくない

 

その想いは、もはや祈りのようですらあります。自分がどれだけ我慢しても、たとえ子どもに嫌われようとも、趣味も諦めて学生時代の友人と疎遠になっても、それでも子どもにだけは幸せになってほしい。

エ●ァン●リオンの人
絶対に、君のことだけは幸せにしてみせるよ

そんな、愛情の塊のようなお母さんたち。

 

けれど、もう大丈夫です。

これ以上、無理をして子どもを守らなくてもいい。もうこれ以上、自分を殺して苦悩する必要はないんです。今までありがとう、お疲れ様です。

 

というのも、子どもが失敗しないように手出し・口出しをしない教育方法には、とてつもないメリットがあるからです。

子どもに敢えて失敗をさせることでこんな効果があります。

転んでも起き上がる
      タフネスが育つ

・失敗を恐れず挑戦する
   ポジティブさが身に付く

・自力で考えて問題解決できる
       クレバーな人間になる

 

何があっても諦めず、自立した優秀な子どもへと育てる鍵は「失敗させる」ことにあるのです。

 

失敗“させない”デメリット

まずは、失敗させてもらえなかった子どもの未来をみていきましょう。やっぱり、先が見えないことが私たちの不安を作り出しています。

 

失敗への対処ができない子ども

親が子供の失敗を事前に防ぐこと。

これは一見すると、すばらしい愛情表現にも見えます。子供がダメージを負わなくて済むように守ってあげてるわけですから。

しかし、守られた子どもはその後…

 

失敗を知らないこども
・失敗=悪い事・怖い事だと思い込む
・自分の頭で考えて課題を解決できない
・失敗しても、復活する術を持たない

といったように、自立精神や打たれ強さ、そしてサバイバル能力を持たない人になってしまうのです。

 

例えば、お母さんに毎朝起こされている子供は、“寝坊して遅刻する”という失敗を経験しません。

たしかに「評定が下がらない」という意味ではいいのかもしれませんが、“自分の人生を、自分で管理する力”を身につけることはできなくなるでしょう。また、自分の失敗を挽回する経験もできません。失敗に伴う痛みに耐える訓練も積めません。新卒として入社し、半数以上の若者が1年足らずで逃げるように退職してしまう現実があります。これも「今まで失敗の痛みを知らなかった」にもかかわらず、突然に猛烈な痛みと傷を負ってしまうからです。大人になってからの「怒られ」は、子どもの頃の比ではありません。

さて。
これって、果たして望ましいことといえるでしょうか?

きっと違いますよね。

失敗させないように立ち回ってしまうことは、長い目で見たときには子どもの人生にとってプラスにならないのです。

 

子どもに失敗をさせるメリット

では、子どものやりたいようにやらせ、失敗を経験させていった場合の未来も見てみましょう。

 

失敗してきた子ども
・失敗に伴う“痛み”の実体を知る
・失敗に対処する経験を積める
・失敗してもやり直せることを知る
・不完全な自分を許せるようになる

人間は基本的に“未知なるもの”を恐れます。

そのため「実際に転ぶと、どれくらい痛いのか」を知らない人は、転ぶことが過剰に恐ろしく思えてしまうものです。それとは逆に、失敗経験がたくさんある人は失敗すること自体を恐れなくなるため、チャレンジ精神や継続力を身につけていきます。

失敗は怖いことでも、悪いことでもない

そう思えるからこそ“今できないこと”にも「いつかできる」と信じて挑戦できるようになるし、すぐに諦めたりもせずに粘り強く一つのことへと打ち込めるようになるワケです。

 

子どもに失敗を経験させることって、実はメリットで溢れているんです。

 

『若いうちの苦労は買ってでもしろ』なんて言葉もありますが、たしかに若いうちに苦労や失敗などの辛い思いを経験しておくと、そうでない人より早めにレベルアップできますよね。

レベルアップした状態でそこから先の人生を生きていけるのだとしたら、儲け物とも言えるんじゃないでしょうか。

 

安心して我が子の失敗を見守るために

お母さん
そうはいっても心がついてこない

重要性は理解しても、実際に失敗させるのは怖いよ、という方も少なくないかと思います。

無理もありません。

人間は「自分の大切なものが傷つく」ことを恐れる性質を持っているからです(3歳頃の、脳が未成熟な段階から備わっているくらい原始的な性質です)。

そういう意味でも「お子さんの失敗を平常心で見守れない」のはごく自然なことなのです。

そんな不安はそのままに受け入れた上で、どうしたら子どもの失敗を見守れるようになるのか、考えていきましょう。

 

子どもを安心して見守る3つの秘訣

1.心身の状態を高く保つ
2.「失敗しても大丈夫だった」実例に触れる
3.小さな失敗と小さな克服を実践する

順番にご説明していきますね。また、より分かりやすく解説している動画も添えておきます。

 

心身の状態を高く保つ

まず1つ目。

寝不足や疲労でどうしようもないときや、まともにご飯を食べられていないときに心の余裕を保つのは誰にとっても難しいことです。大前提として心身の健康状態を保っておくことが必要になります。

 

「失敗しても大丈夫だった」実例に触れる

その上で2つ目。

子供の失敗を恐く感じてしまうのは、“その失敗によって子供の不幸が確定する”という思考に囚われてしまうからです。

その恐怖を和らげる上でとても効果的なのは、“実際にその失敗をしたけど、なんとかなっちゃってる人”を見ることなのです。

例えばですが、今あなたのお子さんが学校に行けなくなっているとして、“不登校だったけど幸せな人生を送り、何かに打ち込んで力をつけ、立派な大人になった他所の家の子”の実例を知ったり、そういう人と実際に話をしたりすると、視野が広がって辛い気持ちは和らいでいくでしょう。

そういった意味で、同じ悩みを持つ人と関わる機会を増やすというのが2つ目のポイントです。そして、それはできれば”悩みを克服した人“がいいでしょう。

 

小さな失敗と小さな克服を実践する

最後は、親自身が“小さな失敗”と“小さな克服”をしてみるということです。

これを実践していくと、失敗に対する不安や恐怖を和らげることができます。

歩成社に寄せられるたくさんのお便りを拝見していて思うことなのですが、子供に失敗をさせたくないと感じている人は、自分自身の失敗も許せていないことがほとんどです。きっと失敗することに対して、ご自身がたくさん怒られてきたのでしょう。

失敗=悪いもの

という解釈が自分の心にこびり付いている状態で、人の失敗を許すのはやはりむずかしいと思います。

でも、ちょっとした失敗をする→でも別に大した問題にはならなかった(or怒られなかった)という経験をたくさん増やしていくと、失敗に対するネガティブなイメージは次第に上書きされていきます。

そうなれば、あなた自身を許せるようになるし、お子さんの失敗についても過剰に心配せずに済む“心の余裕”が手に入ります。

 

以上3つ。

できるところから、あるいはやりたいところからで大丈夫ですので実際に試してみてくださいね。きっと少しずつお子さんにも変化が起こります。その日を目指してがんばっていきましょう!

 

 

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Solid Education 代表 青山学院大学 総合文化政策学部 総合文化政策学科卒業。中学高校の6年間、一度もやる気が出なかった無気力時代を経て、浪人を機にそれを克服。 大学在学中にモチベーション研究に目覚め、8年間独自に研究を重ねてオリジナルの【やる気復活メソッド】を構築。 モチベーション研究ブログ【モチ研】を5年間運営し、コミュニティに500名以上を集客。100名を超えるクライアントに指導した。 また個別指導塾講師として4年間勤務。述べ1000人超の生徒を指導する中で、自他共に認める“問題児担当”として闇を抱えた生徒たちの心のケアに携わってきた。 現在は“やる気復活アドバイザー”という肩書きを掲げ、心の個別指導サービスを主とする事業を営んでいる。

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