数学は難しく、
なかなか成績が上がらない教科というイメージを持つ受験生も少なくはないでしょう。
大学受験の数学は範囲も広く、膨大な公式を駆使する必要があります。
また数学はセンスが重要であり、数学脳を持った元から数学が得意な人にしか出来るようにならないという通説も存在しています。
今回は数学において、文系理系に関係なく苦手意識を克服していただき、数学脳やセンスが無くても1週間で成績を爆発的に上げるための勉強法を説明していきたいと思います。
数学が言語学であることを知る
数学は理系科目だから苦手という受験生は多いです。
しかし、学問的コアを考慮すれば、意外にも数学も含め全ての理系科目は、ほぼ文系科目と変わらない性質を持っていることがわかります。まずは数学という教科のイメージを変えて、苦手意識を無くしてしまいましょう。
例えば「A+B=C」という数式についてです。あなたにはこれが数式に見えますか?数学が得意な受験生にはこれが「A個とB個を合わせるとC個になる」という言語に見えています。
「A×B=C」は「A個の物体が入った箱がBセット用意されていれば、合計でC個の物体が存在していることがわかる」
という解釈をしています。
これと英語を比べてみましょう。
“I am Akahon Teacher.”は「私は赤本先生です。」という解釈になります。これを仮に数式にすると”I = Akahon + Teacher”と置き換えることができます。
英語にも国語にも文法があり、言葉は文章の法則を理解しないと読むことはできません。数学で言えば、公式や定理がこの文法にあたります。
文系科目は言語の並び順で法則を表現します。これを数学では記号という名の言語を使って法則を表現するのです。
大学受験入試で扱う言語学には日本語を扱った国語とアルファベットを扱った英語があります。上記のことを加味した上で、国語・英語と同様に数学も記号を扱った数学語として捉えることができます。
数学に対しての先入観を少しでも和らげることはできたでしょうか?文系・理系という区分は社会から押し付けられた固定観念であることを理解いただけたかと思います。
学問の全ては言語から構成されているということを理解しましょう。
自分のレベルに合った参考書を選ぶ
数学嫌いの9割は、参考書選びが下手です。
数学嫌いで終わってしまうか、得意になってどんどん学力を上げていくか否かは参考書選びが正しいかどうかに起因していると言っても過言ではありません。
志望校の合格者や先輩、学校、塾などからオススメされた参考書で背伸びした勉強をしていたりませんか?
数学の参考書選びで大事なのは、自分のレベルに合った参考書から始めているかどうかです。
中学レベルで躓いている受験生が『フォーカスゴールド』『青チャート』などの有名参考書に手を付けても、レベルが合わず解説を理解するのにも一苦労します。下手すると数学への苦手意識を増幅させてしまいます。
自分がどのレベルで躓いているのかを明確化し、自分に最も合った参考書から着手していきましょう。中学生の参考書から始めてもまだ遅くはありません。これから後半で説明する勉強方法で取り組めば、ゼロから始めても1ヶ月あれば難関公立高校合格レベルまでは力を伸ばすことができます。
大学受験用の数学の参考書で、数学に苦手意識を持っている方は『マセマ』シリーズをAmazonで調べてみて下さい。Amazonで表紙や内容などを下調べをしてから、本屋で覗いてみることをオススメします。
1分間思考する
あなたに合った参考書が揃ったならば、次にその参考書で出題されている問題を早速解きます。
しかし、ここで1つ条件があります。1分間タイマーで時間を計測してください。
時間内に解法が頭に浮かばなければ、すぐさま解答解説を見て理解に徹してください。
よく通説で、数学は考える教科だから、解法が浮かぶまではしばらく考えた方がいいと言う意見がありますが、僕はこの意見に真っ向から反対します。
人間は脳内に蓄積された知識と記憶を材料に思考します。したがって、あまりにも知識が足りない状態で考えたところで時間の無駄になるのです。考えている間に2回でも3回でも復習した方がよっぽど効率的です。
試験時間が無制限であれば、考える勉強はそこまで悪いものではないのですが、試験には制限時間があります。その時間内に解答を終えなければ、得点として換算されません。したがって、努力の無駄になります。勉強は必ず時間を意識して行いましょう。
それに数学は知的パズルです。パズルのピースを複雑に組み合わせることによって難易度を上げることができます。難題に挑むにはまずピースの形と性質を一瞬で解答できるレベルまで記憶しておく必要があります。
以上の観点から、1分思考してもわからない問題は必ず解答解説を見て理解してから、すぐさま解法暗記をしましょう。
解法理解が出来ない問題は付箋
解答解説を読んでも、途中で「どうしてそうなるの?」となる機会は幾度となく訪れます。そういったときは必ず調べたり思考したりせずに、付箋を貼って次の日先生に聞くようにしましょう。受験において考えたり調べたりする時間は全て無駄な時間であることを留意しましょう。調べている時間があるなら自分が解けない理解しやすい分野からどんどん覚えてしまった方が効率的です。
ある1問の解説でわからないところがあり、調べるのに3時間かかってやっと理解するのと、3時間の間に10問の問題を解法暗記するのは、明らかに後者の方が効率的でしょう。
知らないもの・わからないものは質問するために付箋をして、飛ばしてしまいましょう。受験では、心の切り替えがスムーズにできるか否かは合否を分けます。時間を有効活用できるようにどんどん心を切り替えていきましょう。
歩成式学習術を用いる
解法暗記をスムーズに行うためにも「歩成式学習術」を活用していきましょう。受験勉強において、勉強方法が適切で自分に合っているかどうかは非常に大切です。そこで今回は赤本先生平島 秘伝の勉強法である「歩成式学習術」を伝授します。
図の通り、理解し自分の中でよく咀嚼してから、フラッシュアウトプットでマクロ的に暗記し、ダイレクトアウトプットでミクロ的に細部まで覚え込む脳科学に基づいた勉強法です。
人の記憶は20分後には42%喪失するともエビングハウスの忘却曲線からも言われていることから、出来るだけ脳に記憶を定着させながら勉強する必要があります。そのために生まれた勉強法が歩成式学習術です。
この勉強方法を数学に当てはめると、フラッシュアウトプットは解法暗唱になります。例えば、三次関数のグラフの概形を求める時の解法は、「関数f(x)をxで微分→(微分した式)=0という式を立式し極値を導出→増減表を作成し、先ほど導出した情報を整理→情報に合わせて図示」となります。
このようにしていきます。
歩成式学習術の運用方法は動画で丁寧に解説しています。今回の動画は日本史を使っての解説ですが、根本的にはやることは数学も変わりません。数学においては上記のように計算を省いて解法の流れを暗記します。下の動画と同様に知識を重ね塗りしながら習得していきましょう。
体験型の動画になるので、一緒に参加しながらこの勉強法の威力を体感しましょう。
さらに詳しく勉強法を見直したい方は以下の記事を参考にしてみてください。
● 自分に合った勉強法の見つけ方|失敗したくない今が不安な受験生へ
復習スパンは出来るだけ短くする
素晴らしく画期的な勉強法で暗記できたとしても、人間の記憶力には限界があります。いつでも知識を引き出せるように徹底的な復習を意識しましょう。
復習スパンの例としては、習得初日の夜→次の日→また次の日→3日後→7日後→そのまた7日後→10日後→、、、と最低でも7回は復習を重ねましょう。
受験生はこの復習を疎かにしがちなので、常にタイマーで解答するまでに掛かった時間を計測して日付と共に記録するなど、復習のマンネリ化が怒らないように工夫をしましょう。
フラッシュアウトプットとダイレクトアウトプットを使い分ける
まず、フラッシュアウトプット中心で、問題文を見た瞬間に脳内に解法が浮かぶようにします。慣れの合図としては、問題を解く前から、問題文を見た瞬間に解法が浮いて見えるくらいまで定着していて、その問題を解くことに飽き飽きしているレベルまで到達することです。
ここで超注意してほしい事があります。決してノートに書いて覚えようとしないでください。ノートに書いて復習をするとマジで時間効率が下がります。
実際にノートに書いて復習すると10分で2回程しか復習出来ません。対して、フラッシュアウトプットを使うと10分間で10回復習できます。脳内で復習を繰り返すので、「ノートに書く」という時間ロスを大幅にカットできる訳です。
フラッシュアウトプットが完璧に出来たら、次はダイレクトアウトプットに移ります。
ダイレクトアウトプットは、フラッシュアウトプットで記憶した内容を、実際にノートに書いて解いてみる段階です。解けるかどうかの最終確認といったところですね。
ダイレクトアウトプットで解けることが確認出来たら、その問題はいったん終了です。あとは先ほどの復習スパンに従ってフラッシュアウトプットで繰り返し復習していきます。
フラッシュアウトプットで全ての問題を暗唱できるようにすれば、一冊の数学の参考書の復習が1時間くらいで済むようになります。これは大きなアドバンテージになるので、是非試してみてください。
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