基礎力が足りない中高一貫校生でも、6か月以内にMARCH合格は可能?

今回のテーマは、多くの中高一貫校生やその保護者の方が抱えるであろう悩み、「うちの子、基礎力が怪しいけれど、MARCH以上の大学を目指せるのだろうか?」という切実なご質問にお答えしていくものです。

中学に入ったばかりで、英単語や漢字もおぼつかない。

そんな状況から、将来的に難関大学を目指すことに不安を感じるのは当然かもしれません。しかし、結論から言えば、適切な戦略とマインドセットがあれば、道は決して閉ざされてはいません。特進クラスにいるかどうかよりも、もっと大切なことがあるのです。

 

このブログでは、MARCH合格への効率的なアプローチ、文系・理系の選択で考えるべきこと、多様化する大学入試の活用法、そして何よりも重要なお子さんを支える親御さんのあり方について、詳しく解説していきます。

 

MARCH合格の鍵は「戦略」にあり!「英語・現代文」2科目受験のススメ

特に文系学部を志望する場合、非常に効率的な戦略があります。それは、「英語」と「現代文」の2科目に絞って受験するという方法です。
「そんな方法でMARCHに入れるの?」と驚かれるかもしれませんが、実際にこの2科目だけで受験可能な大学・学部は存在します。

  • 中央大学:総合政策学部、国際情報学部など
  • 立命館大学:映像学部など
  • 法政大学:T日程(統一日程入試)など
    (※上記は2025年の事例です。必ず最新の入試要項をご確認ください。)

    もし、「とにかくMARCHレベルの大学に入りたい」「学歴を重視したい」という目標が明確であれば、早期からこの2科目に集中して学習を進めるのは、コストパフォーマンス、タイムパフォーマンス(コスパ・タイパ)の観点からも非常に有効です。

    多くの科目を中途半端に勉強するよりも、科目を絞り、その科目を徹底的に極めることで、合格可能性はぐっと高まります。まずはこの2科目で模試のA判定を目指し、自信がついたら他の科目(日本史、世界史、政治経済、地理など)を追加して、より多くの大学に挑戦するというステップアップも可能です。

 

単語や漢字の基礎力不安も克服できる

「でも、うちの子は英単語や漢字が怪しいレベルで」という不安もあるかと思います。しかし、基礎的な語彙力や漢字力も、適切な方法で取り組めば、短期間で克服可能です。

例えば、私が運営するフジョウ式受験ラボを活用すれば、英単語帳1冊を早ければ3日、集中的に取り組めば1週間程度でマスターすることも不可能ではありません。

1日中単語学習に充てれば、約18時間で終わる計算です。復習時間を考慮しても、数日~1週間程度で基礎を固めることは十分に可能です。大切なのは、いかに早く基礎固めを終わらせるかというスピード感です。

 

文系? 理系? 進路選択は慎重に

得意科目だけで決めると後悔するかも

進路選択において、文系と理系のどちらを選ぶかは大きな決断です。「数学が得意だから理系」という安易な選択は、後々苦労する可能性があります。私自身の経験も踏まえて、理系選択のリアルをお伝えします。

理系の厳しさは実験、レポート、そして専門性

私自身、数学と物理が得意だったため、大学では電気電子情報工学を専攻しました。しかし、正直に言って、理系の学習は想像以上に大変でした。

  • 専門分野への強い探求心が必要不可欠: 理系学部では、特定の専門分野(建築、電気、機械、化学、生物など)を深く掘り下げていきます。「なんとなく面白そう」程度の興味では、専門的な内容についていくのが難しくなることがあります。

  • 実験とレポートの過酷さ: 大学や学部にもよりますが、学年が上がると実験とそのレポート作成に膨大な時間と労力を費やすことになります。私の大学では、毎週A4用紙30ページにも及ぶ手書きのレポート提出が課せられ、その厳しさから途中で大学を辞めてしまう友人も実際にいました。100人入学しても、ストレートで卒業できるのは半分強、ということも珍しくありません。

  • 「手に職」とは限らない現実: 「理系なら手に職がつく」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。私のように、大学で学んだこととは全く異なる分野で仕事をしている人も多くいます。

     

本当にやりたいことが見えないなら文系も有力な選択肢

もし、現時点で「これを専門的に学びたい!」という強い熱意がないのであれば、無理に理系を選ぶ必要はありません。むしろ、文系に進学し、大学で様々な学問に触れる中で自分の興味関心を探求していく方が、結果的に有意義な学びにつながる可能性もあります。

数学が得意なことは大きな武器になります。その強みを活かして、「英語・数学・国語」で受験できる文系の学部を選択するという道もあります。文系学部の中にも、経済学部や商学部など、数学的な素養が活かせる分野は多く存在します。

大切なのは、「得意科目」だけで判断するのではなく、「将来何をしたいのか」「何に興味があるのか」という視点から、じっくりと進路を考えることです。

 

多様化する大学入試の選択肢

指定校推薦・総合型選抜・共通テスト利用・一般入試

現在の大学入試は、一般入試だけではありません。様々な入試方式があり、それぞれに特徴があります。自分に合った方法を見つけることが、合格への近道となります。

  1. 指定校推薦:

    • 概要: 高校での評定平均が大学の定める基準を満たし、校内選考を通過すれば、ほぼ確実に合格できる制度。
    • メリット: 合格の確実性が非常に高い。早期に進路が決まる。
    • デメリット: 高校内の成績(評定平均)がすべて。希望大学・学部の枠があるとは限らない。合格したら必ずその大学に進学しなければならない(専願)。
    • 時期: 高校3年生の夏頃から募集開始、秋には合否が決まることが多い。


  2. 総合型選抜(旧AO入試):

    • 概要: 学力だけでなく、志望理由書、面接、小論文、活動報告書など、多角的な評価で合否が決まる入試。大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)とのマッチングが重視される。
    • メリット: 学力試験以外の強み(探求活動、部活動、資格など)をアピールできる。早期に合格が決まる可能性がある。
    • デメリット: 大学・学部によって選考方法や基準が大きく異なるため、情報収集と対策が必須。評定平均の基準(例:3.5以上など)が設けられている場合が多い。国公立大学では共通テストの受験が必要な場合もある。
    • 時期: 秋頃から出願開始、年内〜年明けに合否が決まることが多い。


  3. 共通テスト利用入試:

    • 概要: 大学入学共通テストの成績のみで合否が決まる方式。
    • メリット: 個別試験対策が不要(共通テスト対策に集中できる)。複数の大学・学部に出願しやすい。
    • デメリット: 共通テストで高得点を取る必要がある。募集枠が少ない場合がある。
    • 時期: 共通テスト実施後に出願、一般入試より早く合否が判明することが多い。


  4. 一般入試:

    • 概要: 大学独自の学力試験で合否が決まる、最も一般的な入試方式。
    • メリット: 募集人数が最も多い。学力で勝負できる。
    • デメリット: 試験科目が多く、対策に時間がかかる。競争率が高い場合がある。
    • 時期: 1月下旬~3月にかけて実施される。

       

どの入試方式が有利かは、お子さんの学力、高校での成績、個性、そして志望校によって全く異なります。早いうちから各方式の情報を集め、戦略的に準備を進めることが重要です。一般入試を目指す場合でも、指定校推薦や総合型選抜の可能性を視野に入れておくことで、選択肢が広がります。

苦手科目は「やり方」で克服できる!国語だって怖くない

「うちの子、国語が本当に苦手で…」という声もよく聞きます。特に、先ほど紹介した「英語・現代文」受験を考える上で、国語の苦手意識は大きな壁に感じるかもしれません。

しかし、多くの場合、国語(特に現代文)の成績が伸び悩む原因は、才能やセンスではなく、「正しい解き方・考え方」を知らないことにあります。

私が指導するフジョウ式受験ラボでは、文章の構造を読み解き、設問の意図を正確に把握するための具体的な思考プロセスを学びます。これを実践すれば、感覚やフィーリングに頼らず、論理的に解答を導き出すことができるようになります。

実際に、この方法で過去問演習に取り組んだ結果、1週間程度で共通テストの現代文で9割を取れるようになった生徒もいます。

もちろん、語彙力や背景知識が極端に不足している場合は、それらを補うための学習(語彙力強化など)も必要になりますが、それには数ヶ月程度の時間を見れば十分対応可能です。多くの場合、特別な対策をしなくても、解き方を学ぶだけで飛躍的に成績は向上します。

苦手意識を持つ前に、まずは正しいアプローチを試してみることが大切です。

 

親御さんのマインドセットが子どものやる気を左右する

お子さんの勉強に対して、つい「もっと勉強しなさい!」「なんでできないの!」と口うるさく言ってしまう…そんな自分に自己嫌悪を感じている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そして、「言わないように我慢しよう」と努力されているのかもしれません。

しかし、この「我慢」というアプローチは、実はあまり効果的ではありません。

 

「我慢」ではなく、本当の意味での信頼を

  • ストレスが溜まる: 言いたいことを抑え込むのは、親御さん自身にとって大きなストレスです。ストレスは長くは続きません。
  • 雰囲気で伝わる: 言葉にしなくても、イライラした態度や不満げな表情は、お子さんに敏感に伝わってしまいます。「我慢している」状態は、結局、ネガティブなエネルギーとしてお子さんに影響を与えかねません。

     

親御さん自身の「マインドセット」を見直す

問題の根本は、「我慢する」ことではなく、お子さんのできない部分ばかりに目が向いてしまう親御さん自身の「マインドセット(思考様式)」にあるのかもしれません。

  • 自分自身への声かけを見直す: 普段、自分に対して厳しい言葉をかけていませんか?「もっと頑張らないと」「なんで私はこれができないんだろう」といった自己否定的な声かけは、そのままお子さんへの評価にも反映されがちです。まずは、親御さん自身が自分を認め、肯定的な言葉をかけることから始めましょう。「自分はよくやっている」「できなくても大丈夫」と自分に優しくなれると、お子さんにも自然と寛容になれます。

  • お子さんの視点に立ってみる(共感力): なぜお子さんが勉強しないのか、なぜ反発するのか。一度立ち止まって、お子さんの気持ちを想像してみましょう。例えば、「朝、彼女のために1時間も髪をセットしている息子を見てイライラする」という話がありましたが、視点を変えれば「好きな人のために最高の自分でいたい」という健気な努力と捉えることもできます。自分が同じ立場だったらどうだったか、と考えてみることで、お子さんへの理解が深まります。

  • 「どうせ大丈夫」と根拠なく信じる力: これが最も重要かもしれません。お子さんの可能性を心から信じること。たとえ現状が厳しくても、「この子なら大丈夫」「なんとかなる」という前向きなマインドを持つことが、お子さんにとって何よりの支えとなります。実際に、入試1ヶ月前で合格ラインに100点足りなかったお子さんが、親御さんの揺るぎない信頼に支えられて見事逆転合格を果たしたという事例もあります。

親御さんが安定した心で、お子さんを信じ、応援する姿勢を示すこと。それが、お子さんの自己肯定感を育み、自ら学びに向かう力を引き出す鍵となるのです。

 

受験はゴールではなく通過点

「人として成長する学びの場」と捉える

私たちは、「不常識受験ラボ」「ラボラリー」「母親のあり方講座」「オンラインサロンの匠組」といった様々なプログラムを通して、単に学力を向上させるだけでなく、受験という経験を通してお子さんが人として大きく成長することをサポートしています。

  • 自発性を育む「ラボラリー」: 毎日15分程度の音声コンテンツを通して、お子さん自身が目標設定し、主体的に学びに向かう力を育みます。親御さんが聞くだけでも、お子さんへの関わり方が変わるヒントが得られます。
  • 親子関係の土台を作る「母親のあり方講座」「匠組」: 親御さん自身のマインドセットを整え、お子さんとのコミュニケーションを改善するための具体的な方法を学び、実践する場です。他の親御さんとの交流を通して、悩みを共有し、共に成長していくことができます。
  • 徹底伴走型の「不常識受験ラボ」: 365日、個別指導はもちろん、学習計画の立案、進捗管理、進路相談、メンタルサポートまで、あらゆる面からお子さんと親御さんを支えます。追加費用は一切不要で、合格まで責任を持って伴走します。

これらのプログラムの根底にあるのは、「受験は通過点であり、その先にある人生を豊かにするための学びの機会である」という考え方です。学力だけでなく、思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、そして何よりも「自分自身の人生を主体的に選択し、切り拓いていく力」を育むことを目指しています。

もし、現状の学習状況やお子さんとの関係に悩んでいるなら、ぜひ一度、これらのプログラムやクラウドファンディングの情報もご覧いただければ幸いです。きっと、新たな視点や解決の糸口が見つかるはずです。

 

未来は「今」の選択で変えられる

「基礎力が足りない」そんな不安を抱えている方も、時間諦める必要は全くありません。

  • 戦略的なアプローチ(2科目受験など)で効率的に合格を目指す。

  • 文系・理系の選択は、得意科目だけでなく、将来の興味関心も踏まえて慎重に。

  • 多様な入試方式を理解し、自分に合った方法を選択する。

  • 苦手科目は「やり方」次第で克服できる。

  • そして何より、親御さん自身が安定したマインドで、お子さんの可能性を信じ抜くこと。

これらを意識することで、道は必ず開けます。

今回の記事が、皆さんの不安を少しでも和らげ、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。



LINEで受験に関する情報を発信していますので、ぜひご登録をお願いします。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: LINE-tuika.jpg
 
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

The following two tabs change content below.
たった2ヶ月で「早慶」にE判定から逆転合格させる驚異の指導力で1500名以上の受験生を指導。神楽坂駅前にて学習塾「歩成式受験研究所」を運営。独自の過去問研究法や学習理論を元に、偏差値40前後の受験生を次々と難関大学へと送り出している。